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今からタイ現地採用で働くのは止めておいた方がいい理由

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10年前なら未だしも、今からタイ現採を始めるメリットほぼ無しと考える

タイは物価が安く、温暖な気候で観光地としても有名な場所です。
このためタイで働くことに憧れる日本人が多いのも事実です。
しかしタイで現地採用として働くことには、
予想以上に厳しい現実があることを知っておくべきです。

現地採用には数々の落とし穴があり、
特に生活面や仕事面で大きなギャップを感じることが多いです。
私が考えるタイで現地採用を選ぶべきではない理由を、
具体的な事例を交えて解説します。

低い給料と生活費のバランスで思ったほど手元に残らない

タイは物価が安いというイメージが強いですが、
それはあくまで一部のサービスや商品に限られています。
観光地や都市部における生活費は思っている以上に高く、
特に家賃や外食費が高騰しています。

現地採用の多くは、日本企業が現地で採用する形を取りますが、
その給料は日本での平均に比べてかなり低いことが一般的です。

例えば、バンコク市内で生活する場合、
賃貸物件の価格はピンからキリまでありますが、
安価な物件でも月々1万~2万バーツ程度の家賃がかかります。
(探せば月々数千バーツの物件もありますが、初心者にはおすすめしません)

一方で何のスキルも無い現地採用の日本人の給料は
月収手取りで4万~5万バーツ程度で、
この金額で高級コンドミニアムや便利なエリアの賃貸を選ぶと、
生活費がすぐに圧迫されます。

家賃や光熱費、食費を差し引いた後に残るお金では、
生活を楽しむ余裕がなくなることが少なくありません。

外食はタイでは安価に見えることが多いですが、
特に日本食や西洋料理を食べると、
日本と同じかそれ以上の金額になることもあります。

タイには多くの日本食レストランがありますが、
安く済ませようとすると食の選択肢が限られてしまい、
外食を控えめにするか、タイの料理に慣れなければならなくなります。

経験上、毎日安くローカル食で済ませていると体調も悪くなります。
健康面を考えても、食事は良いものを取りたいところです。
物価が高くなっているタイでは、食費は生活費の中でも圧迫されます。

こうした食生活やその他の生活費を考慮すると、
現地採用で働くことは金銭的に厳しくなる可能性が高いです。

労働環境の違いと不安定な待遇による理不尽さを味わう

タイの労働環境は、日本のように整備されていないことが多いため、
現地採用として働く日本人にとっては厳しい状況が待っていることがあります。

まずタイの企業文化や働き方は、日本の企業とは大きく異なります。
例えばタイの企業では、社内でのコミュニケーションがあまり円滑でない場合があり、
指示や仕事の進行が明確でないことがしばしばあります。
また、タイの労働時間は長く、休日が少ない場合があるため、
仕事の負担が増えることもあります。

現地採用者は賃金や待遇についても日本企業と比べて
不利な立場に置かれることがあります。
タイでは労働法が日本ほど厳格に守られていないことが多く、
労働環境が悪化することもあります。
たとえば過剰な業務が割り当てられ、残業代は給与に含まれていて支払われない、
または労働時間が守られないといったケースがあるため、
働きながらストレスを感じることが増えるでしょう。

現地採用の待遇ですが、契約社員や契約社員に近い形であることが多く、
雇用が不安定な場合もあります。
特に経済的に不安定な時期には、突然契約を切られるリスクもあるため、
長期的な安定性を求める人には向いていません。

現地採用者は現地法人での仕事に専念することが多いため、
日本本社への異動や昇進のチャンスが少なく、
キャリアパスに限界を感じることがよくあります。
採用している会社も現地採用日本人の方がコストが低く、
使い勝手が良いと判断しているので、
わざわざ駐在員にするメリットが無いのも理由です。

キャリアや成長機会の不足

現地採用でタイに滞在する場合、キャリアの成長が限定されることがあります。
現地採用者として働いている間は、主にタイ国内での業務が中心となり、
将来的なキャリアアップのチャンスが少なくなることが多いです。
特に日本の本社での昇進や異動は難しく、
現地採用の社員が昇進するケースは少ないのが現実です。

またタイの現地法人での業務は、
必ずしも高度なスキルを要求されるわけではないことが多いため、
キャリアを積むことが難しく、長期的な成長を望むのであれば、
現地採用を選ぶことは適切ではないかもしれません。

日本本社での異動やキャリアアップを考えると、
現地採用で働いている間に得られる経験が、
日本での転職にほぼプラスにならないと思ってOKです。

既に既に特殊なスキルを持っている人は、
求人案件の内容とマッチすれば,
やりがいはともかく活躍の場が得られるでしょう。

社会的な孤立と文化的ギャップ

タイで働く日本人は言語や文化の違いから、
現地社会とのギャップを感じることがよくあります。

特にタイ語を話せない場合、
日常生活や職場でのコミュニケーションに困ることが多く、
孤立感を感じることがあります。
職場では当然タイ語ないし英語でのコミュニケーションが基本となるため、
タイ語を理解していないと仕事の進行や同僚との関係に支障をきたすことがあります。

タイの文化や価値観は日本とは大きく異なり、
現地採用者が慣れるまでには時間がかかります。
タイでは時間にルーズなことが多く、仕事の進行が遅れることもあります。
これに日本人はストレスを感じることが多く、
カルチャーショックを受けることが少なくありません。

現地での生活や仕事に馴染むのが難しい場合、
社会的に孤立することが増え、精神的な負担となることもあります。
すぐ辞めて日本に帰国する人が多いのも納得できる環境です。

想定外の生活費と物価上昇

タイの物価は地方と都市部で大きく異なります。
バンコクやパタヤといった都市部では、生活費が急激に上昇しており、
特に家賃や外食費、輸入品の価格は高くなっています。
物価が安いと勘違いしてタイに移住した場合、
実際の生活費の高さに驚くことがあります。

タイでは観光地での消費が多く、
外国人向けの商品やサービスは割高になることがよくあります。
たとえば観光地のレストランや高級スーパーで買い物をすると、
日本より高い金額がかかることもあります。(今は円安なので尚更です)

比較的安価で買い物できるエリアや各種サービスもありますが、
バンコクでは特に外国人向けの施設や商品には高額な料金が設定されていることが多く、
物価が安いというイメージとは裏腹に、生活費が増加することがあります。

現地採用は慎重に検討すべき

20年以上タイで生活をしていて感じるのは、
現地採用として働くことの魅力が殆ど無くなってきているという事です。
生活費の増加、労働環境の違い、キャリアパスの限界、文化的なギャップなど、
さまざまな問題が潜んでいます。

タイ現採の道を選ぶ前に、これらのリスクをしっかりと理解し、
事前に情報を集めることが重要です。
長期的なキャリアを考えるのであれば、
現地採用で今から働くことは必ずしも最適な選択ではないかもしれません。
引く手あまたなスキルを身に着けてから海外で働くのが一番だと思います。

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